疲れていることに気づいたのは、帰りの新幹線の中でした。草刈りの鎌を足元に置いたまま、窓の外を眺めていて、次に何をしなければならないかだけを考えていました。空き家の管理は、終わりのない宿題のようなものでした。続けることをやめるまでに、整理したことを書いておきます。
作業そのものは、振り返れば大した量ではありませんでした。月に一度、半日。庭と室内を見て、郵便物を仕分けて、電気と水道を確かめる。それだけです。
つらかったのは量ではなく、終わりが見えないことでした。終わっても、また来月同じことが待っています。誰もほめてくれないし、誰も代わってくれない。この「終わらない」という形の疲れは、休んでも戻りませんでした。
思いつくままに書き出したら、次のようになりました。
書き出す前は「私は体力がないのだ」と思っていました。書き出したあとは、量ではなく構造の問題だと分かりました。構造なら、変えられます。
次に、取れる方向を3つに分けて並べました。どれかひとつを選ぶのではなく、いま何を減らしたいかで選ぶことにしました。
私が最初に選んだのは、真ん中の「人に預ける」でした。いきなり手放す判断はできなかったからです。預けるのは、逃げではなく段階だと思っています。
預ける先を探すときに見たのは、費用の額そのものではなく、任せられる範囲でした。草だけ、見回りだけ、鍵の開閉だけ。切り分けられるほど、疲れている側でも判断できます。逆に「全部おまかせ」という形は、私には選びにくいものでした。何を任せたのか分からないままだと、安心にはならないからです。
同じ週に仕事の締め切りが重なっていた、という事情も疲れに効いていました。家の管理だけが原因ではないと分かると、対処のしかたも変えられました。
これは後から分かったことですが、疲れているときの判断は、ふだんより偏ります。私の場合、次のような癖が出ていました。
だから大事な判断は、疲れていない日に回すと決めました。具体的には、帰省の当日には決めず、帰ってきてから数日置いて、同じ内容をもう一度読み直す。これだけで、あとから覆す決定が減りました。
※管理の費用や手続きの扱いは、地域と状況によって変わります。制度に関わる判断は専門家に確認してください。
続けることをやめる、と決めてから動いた順番です。
任せる範囲は、現地の事情で変わります。だから「どこまでなら任せられるか」を自分で決めてから相談に行きました。丸ごと投げるのではなく、切り分けて渡す。それが私には合っていました。
全部を自分で抱えたままだと、判断する体力も残りません。任せられる範囲と条件を先に見ておくと、続けるかどうかを選び直せます。
実家の売却・片付けを無料で相談する相談は無料 / 費用・条件は各社の案内によります相談は無料で受けられますが、対応してくれる範囲や連絡の方法、日程の調整のしかたは各社の案内によって異なります。費用は地域や時期で異なるため、申し込む前に条件を確認しておくと安心です。
空き家の管理は、続けることが美徳だと思われがちです。ただ、続けることで決める時期だけが後ろにずれていくなら、それは維持ではなく先送りだと思います。やめると決めたあと、私はむしろ早く眠れるようになりました。